若手の頃は自分のミスで頭を下げた。
中堅では慣れによる油断と戦った。
10年目になると、今度は後輩のミスで頭を下げることになる。
この先輩にはついていけないな。そんな風には思われたくないですよね?
後輩社員のミスの対応がベテラン営業の生命線。
真正面から受け止めるのか?
自分は関係ないと知らんぷりをするのか?
ここでの対応が今後のサラリーマン人生を左右します。
自分のミスではないですが、自分じゃないからこその葛藤や悩み。
10年目の責任とは何か。私自身の葛藤を通して書いていきます
手配漏れシリーズについては下記からお読みください。
若手社員時代

中堅社員時代

10年目、謝る相手が変わった
10年を過ぎると部下という存在ができます。
自分の仕事もこなしつつ、部下の教育やフォローというマネージャー的な要素もどんどん比率が高まってきます。
「少しよろしいですか?」何だか嫌な予感がします。
こういう形での相談はポジティブな相談でないことは経験則から予想がつきます。
「手配が漏れていました・・・」
一瞬、頭が真っ白になりました。
ある程度のミスは想定していましたが、ここにきて予想の斜め上の展開。
早急に頭をフル回転させて「状況整理」「今やるべきこと」を考えます。
後輩の手配漏れで起きる本当の問題
本当の問題は3つあると私は考えます。
①後輩社員対応(潰すか、育てるかの分岐点)
ここで一番やってはいけないのが、頭ごなしに後輩を叱責することです。
- なぜ手配が漏れていた?
- 気づくのが遅過ぎる
- 何をやっていたんだ
こういう言葉を投げてはいけません。口から出た言葉というものは元には戻せませんのでご注意を。
萎縮させるだけで、本人のためになりません。
若手社員時代の記事でも書きましたが、まずは状況を一緒に整理し、最善の策を考えることに全力を注ぎます。
後輩社員もやりたくてやったミスではありません。
相手の立場に立って落ち込んでいる気持ちを奮い立たせることが上司の役割だと私は考えます。
②顧客対応(信頼は「上司」で判断される)
同時にやらないといけないのは顧客対応です。
顧客としては担当が若ければ若いほど、その上司に対しての不信感も同時に生まれます。
- 上司はしっかりフォローしていたのか?
- なぜ謝罪の連絡がないんだ?
こういった不信感は少なからず持つものだと考えています。
報告を受けたと同時に私は状況整理と対応策の概略を共有した後は顧客に電話を入れるようにしています。
ここでポイントは後輩の聞こえない場所で電話をするようにしています。
なぜなら後輩に対して余計な負い目を感じてほしくないからです。
ただでさえミスをして自分のために上司が動くという状況に打ちひしがれているであろう時に、
上司の謝罪電話は更なる追い討ちにしかならないと考えるからです。
だからこそ、後輩の聞こえない場所で謝罪電話をし、一旦のクールダウンを顧客側にもしています。
この電話があるかないかで顧客の不信感のパーセンテージを減らすことができると考えます。
③チームの空気(空気を壊すのも守るのも上司)
もしかしたらアシスタントのミスなのかもしれません。それでも担当営業が報告に来ると言うのはよくあることです。
ですのでミスはミス。と言う事実は共有しますが、犯人探しのようなことはしません。
この問題を一緒に乗り越えよう!という空気を上司が作ることで重くなる空気を少しでも和らげます。
やってはいけない上司の対応
こういったトラブルの時にやってしまうと取り返しのつかない対応がいくつかあります。
これだけは絶対にやめてください。
①後輩を前に出して謝らせる(上司として即終了)
当事者である担当が謝るのは当然です。そうじゃなければ後輩の成長にもつながりません。
ですが、前面に後輩を出すことだけは絶対に避けてください。
これをやってしまうと上司としてのあなたの価値は0になります。
- 相談しても助けてくれない
- この人に言っても意味がない
そういう烙印を押されます。
②顧客の前で叱責(信頼は一瞬で崩壊)
これも悪手です。結局は「自分は悪くない」と顧客と後輩に宣言していると同じです。
顧客の前では一緒に謝る。これに務めてください。
③自分も「若い」と言い訳する(責任逃れと見なされる)
若かろうがそうでなかろうが、後輩からすればあなたは上司です。
その上司が言い訳をすれば、一気に後輩と同じレベルになってしまいます。
言い訳を考える暇があったら問題解決の策を一緒に考えましょう。
④自分は関係ない顔をする
上司という立場で「関係ない」は許されません。
仮に全く自分が担当したことのない顧客でも、上司である以上一緒に解決する必要があります。
仮に口に出さなくてもそういう部分は見透かされます。
何となく適当に対応をしているとどんどん後輩からの信頼度は低下します。
正解|まず自分が矢面に立つ
どんなことがあっても自分が矢面に立ち受け止める。それが上司の上司たる所以だと私は考えます。
①上司としての気構え
私が若手・中堅社員時代はどちらかといえば全て自分で処理をしてきました。
幸いなことに取り扱いメーカーの担当者に恵まれたこともあり、大きなトラブルには発展しなかったのですが、
それでも上司が助けてくれたらな。と思うことがよくありました。
何となくの指示というものは結局何をすればいいのか分からないのでとても苦しいです。
終わりが見えてきて目処がたった頃に「どんな感じ?」と聞かれる虚しさは忘れることができません。
- まずは落ち着こう
- 一緒に謝りに行こう
- メーカーにはとりあえず話はするから
こう言った言葉をもらえたら当時の自分はどれほど救われたかなと思うことがあります。
だからこそ立場が変わり、上司と呼ばれる役職に就いた時は、とにかく自分が「矢面に立つ」ことを心がけています。
どんな言葉よりもその背中・姿勢は後輩に伝わると思います。
②会社として
ここまではメンタル的な部分にフォーカスしてきましたが、実際問題として信頼は「会社単位」という観点から見ても「矢面に立つ」ことは必須だといえます。
ここで当事者だけが謝罪をし、全く問題が解決しなければ会社単位での信用失墜に繋がりそれこそ取り返しのつかないトラブルに発展します。
上司という立場の人間が誠意を見せることで、幾分か相手の溜飲を下げる役割を担うことができます。
③責任からの解放
そして責任の所在を自分にすることで後輩にもこれ以上背負う必要がないことを宣言することにもなります。
トラブルの後も顧客との関係は続いていきます。だからこそトラブルの責任は上司が引き受けて今後の関係にあとぐされがないようにする必要があると私は考えます。
上司の行動3ステップとしてまとめました。
本当の責任の取り方とは?
顧客とのトラブルを解決した後にこそ本当の責任が発生すると私は考えます。
それは「再発防止」を担当者に、チームに浸透させることです。
私は後輩社員に対して負の感情を出さないようにしています。
なぜなら意味がないと思うからです。
自分より立場の上の人間に負の感情で叱責されれば萎縮するだけとなり、問題の本質にたどり着くことができません。
だからこそ「対話(会話のキャッチボール)」を重要視しています。
- 今回のミスが発生した原因はどこにあると思う?
- その原因はヒューマンエラーなのか、構造に問題があるのか
- どうすればミスはなくせるようになる?
こう言った質問からキャッチボールを重ねることでミスの原因を突き止めます。
仮に仕事量が多すぎて発生したミスならば、本当に業務量が多いのか精査する必要があります。
単純に仕事のスピードが遅くて仕事量が多いと感じているようであれば、効率的に働けるようアドバイスを送りますし、業務量が本当に多ければ私の上司に掛け合って担当顧客の調整が必要です。
体感としては単純の仕事に慣れていなくて業務スピードが遅くて溢れた結果見落としている。というケースが多いので、そういう場合はどの仕事に時間がかかっているのかを言語化してもらい対策を取るようにしています。
メール作成に時間がかかるのであれば、テンプレートを準備して定型分で送れるようにする。など方法はいくらでもあります。
大切なのはミスからどうやって次に繋げていくのか、その導線を考えてあげることだと思っています。
自分が経験してきたからこそ、同じミスをしてほしくないのでできることは全て教えてあげたいと思います。
まとめ|何が大切なのか
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この手配漏れシリーズでそれぞれの役割について改めて考えるきっかけになりました。
結局年次が変わっても大切なのは「誠実な対応」これに尽きるのではないでしょうか。
立場が変わった途端横柄になれば人は離れていきます。だからこそ誠実な対応が人を惹きつけるのではないでしょうか?
「誠実な対応」にそれぞれを当てはめるなら下記のようになると私は考えます。
若手は学び、中堅は耐え、10年目は守る覚悟。
立場が変われば、求められる役割も変わる。
それでも軸は変わらない。
誠実であること。それだけは。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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