見積ミスの対処法|用途確認不足で発覚した受注後トラブル【実体験】

結論
・見積時の用途確認不足は致命的なトラブルになる
・受注後に発覚すると顧客・メーカーを巻き込む
・最悪でも「代替案提示+責任整理」で立て直す

見積前に用途確認を怠るとどうなるか。
その答えが、受注後に爆発しました。

今回の見積シリーズは安易な気持ちで確認せず回答した見積が招くトラブルです。

商社営業マンにはあるあるだと思いますので一緒に冷や汗かいてお読みください。


あなたは見積時に“用途”を必ず確認していますか?

目次

見積時に用途確認しないとどうなる?案件情報不足のリスク

私がいる業界では見積をする時に「案件情報」の確認が非常に重要です。

依頼部品によってはその用途に適した製品があり、適した製品以外は使えないというケースがあります。

全ての顧客が「案件情報」を書いてくれれば良いのですが、型式だけを依頼してくる見積も少なくありません。

業務量に余裕があれば情報確認のメールを送ったり、電話で確認をするのですが、当時は見積の他にも仕事が溜まっていました。いつも依頼をくれる顧客で一般用途の案件ばかりのため問題ないと考えていました。

無事に案件受注も・・・?

見積から数ヶ月。顧客から注文が来ました。

あの時の見積もりが決まったんだな〜。くらいに考えていました。

新規製品ですと、メーカーにこれから発注をする。という意思表示をするために、案件情報の連絡が必要です。

メーカーに開示する必要がある情報

  • 用途
  • 量産開始時期
  • 企画台数

電話で情報確認を行いました。

logipapa

〇〇様。ご注文ありがとうございます〜🎵うちでも新規製品ですので案件情報教えてもらっていいですか?

顧客

いえいえ〜。台数は〇〇。用途は車載ですよ〜。

logipapa

・・・車載ですか?少々お待ちくださいね
(見積書を探す。→一般用途向けで回答してる。。。)

logipapa

〇〇様。この案件って今から部品変更って出来たりしますか?(頼む頼む!!)

顧客

それは無理ですよ〜。もう使用する部品は決まってるから変更無理です。

ここで試合終了のホイッスルが鳴りました。

logipapa

なんとかメーカーに交渉するか?いや、普通に考えて無理だ。ここから交渉をする時間を考えたら納期問題もおきて余計に取り返しがつかなくなる。。。もう・・・ここで本当のことを言うしかない。

logipapa

〇〇様。大変申し訳ないのですが、今回ご注文いただいたAという製品は車載案件には適応していない製品でしてご使用ができないんですよ・・・

顧客

えっ!?どういうことですか!?だって〇〇さん、見積返してくれてるじゃないですか!?

戸惑いと怒りと困惑のミックスジュースのようなトーンの声でした。

logipapa

本来であればお見積依頼をいただいた時に「案件情報」を確認すべきでしたが、確認をせず回答をしてしまいまして・・・

顧客

それはそちらの事情ですよね?こちらとしてはすでに回答をいただいて注文をしています!この製品で対応をお願いします!!

この顧客は直接最終製品を製造しているメーカーではなく、商社の顧客です。
商社の中にはそのまま丸投げで依頼をしてくる方も一定数いらっしゃいます。

とまぁ、少し言い訳を書きましたがそもそも私が確認していれば防げたミスです。
120%私に落ち度があります。

logipapa

少々お時間をいただけますか?お見積の製品で動けるかどうか確認します。

顧客

変更はできませんからね!!(ガチャン!!)

受話器が物凄い音で置かれる音を最後に一連の電話が終わりました。

なぜ一般用途品は車載に使えないのか?(失敗の原因)

なぜ車載用途に一般製品が使えないかと言いますと、車載。つまり「車」は人命に直接関わる部分があります。

例えば「走る・止まる・曲がる」などの実際に車が動く部分です。

こういった部分には通常製品とは違い、車載用途で使用を想定した「認証規格」や「品質」を明確に区別していることが多いです。

今回の用途はまさにその部分に該当する為一般用途製品ではメーカーへの登録段階でNGが出る。という状況です。

改めて状況を整理します。

  • 車載用途に一般用途の部品はNG
  • 顧客も商社の為自社で変更を決定できない(E/Uへ確認してもおそらく難しい)

将棋でいえば「詰み」です。

ここで謝っても何も進展しない。相手が求めているのは「案件」を前に進めることです。

必死に思考を巡らせます。

導き出した答えは?

私は懇意にしている商社に片っ端から連絡しました。

すでに実績のある商社から私が製品を買い、顧客に提示する。

基本的なスペックは同じで品質保証や、認証規格の部分が違うだけなのでこれならなんとかなる!

ですがこれには最大のリスクを伴います。それは「再見積もりによる価格UP」です。

1社間に入ることでその会社の利益がのるので今提示している価格より割高になるのは避けて通れません。

ですがこれしかないと、必死で各商社に連絡を取り、無事1社実績のある商社が見積回答をくれました。

やっぱり価格は高い。。。

ここまでに3日を費やしました。相手のことを考えるとタイムリミットは近い。

急ぎ改定の見積書を作成し、上司に事情を説明します。

logipapa

半年ほど前に見積をした〇〇(一般用途)ですが、案件確認をせず見積回答をしていました。
その案件が先日注文になり、用途確認をおこなったところ「車載用途」でして、回答した製品が使用できないことがわかりました。

変更はできないという回答でしたので、商社に〇〇“(車載用途)が実績ないか確認し、1社回答をもらっています。
提示した価格より上がってしまいますが、変更が出来ない為謝罪し、価格UPを飲んでもらい案件を進めたいと思います。

沈黙する上司。

上司

価格はどのくらい上がる?

logipapa

〇〇%です。。。

上司

初回だけは〇〇と同じ価格でお受けしなさい。その代わり次回の手配以降は事情を説明し価格を上げさせてもらえないか相談をするように。

logipapa

承知いたしました。。。

不平等条約の撤廃

上司からの折衷案を説明する為に電話をします。

logipapa

〇〇様お世話になります。〇〇(一般用途)製品を車載用途で使用するのはリスクがある為対応出来かねます。
代替案として〇〇“(車載用途)を探しました。スペックは〇〇と同じで車載用途製品として各種認証規格を取得しております。こちらであれば部品変更にはなってしまいますが、検討いただけないでしょうか?

顧客

ご提案ありがとうございます。私もE/Uに確認したところ、本来は車載用途製品を使用しなければいけないところをすいませんと。なので今回のご提案はお受けしたいと思います。

logipapa

ありがとうございます。ですが一つご了承いただきたいことがございます。価格の件でございます。
今回製品が変わる事と、緊急対応の為別商社から見積を取っています。
今回のご注文は提示ている単価でお受けいたしますので、次回以降は後ほど提出するお見積の価格で合意いただけないでしょうか?

顧客

それはメーカーに直接見積を取ることは出来ませんか?恐らく案件を進めるために方々依頼をかけてくれたのでしょうが、E/Uからも変更の了承は取れているのでメーカーへ直接見積を取って回答ください。その単価で今回の注文から再注文します。

少し風向きが変わっていくことを感じました。

logipapa

ありがとうございます!!すぐにメーカーに見積をしますので数日お時間をいただきますがよろしいでしょうか?

顧客

お待ちしております。

大急ぎでメーカーへ見積を依頼します。そして回答をもらい、見積書を作成。上司にも事情を説明し、適正なマージンを載せて再見積を提出。

無事変更した型式と変更された価格で注文書をいただくことができました。

見積ミスを防ぐためのチェックポイント

  1. 用途確認(最優先)
  2. 量産時期の確認
  3. 使用環境(車載・産業など)
  4. 顧客が商社か最終メーカーか

まとめ|後回しにしていいことなんて何一つない

本件については顧客からも納品の時に「怒鳴って悪かった。こちらもE/Uに確認するべきだった」というような趣旨の言葉をいただくことができました。

正直、注文書をもらってからの再見積もりまでは生きた心地がしませんでしたが、顧客の態度が軟化したことと、先方も至らない部分があったと思ってくれたからです。

この事件は私の中で強い教訓として刻まれています。

どんな案件でも見積が来たら「案件確認」をすると。

確認をしない見積は「NG見積回答」なんだと。

提案で信頼は増えません。

ですが、間違った提案は一度で関係を終わらせます。

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確認不足が招く失敗は、用途だけではありません。
納期を軽く扱った結果、現場を巻き込む炎上になった話もあります。

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