以前、10製品の見積依頼をもらった案件がありました。
その中に1つだけ「価格の張る製品」がありました。
私は正直こう思いました。
「これだけ取れれば十分だ」
- この高単価部品は価格を抑えるけど他の製品で利益を稼ごう。
- これだけほしいから他は回答しなくてもいいだろう
顧客もそこまで細かく見ていないはずだ。
顧客からの返事は「他の商社にお願いしました」
複数の製品を見積る時に高付加価値の製品ってありますよね?
営業心理からすると
他は受注出来なくても、この製品だけは受注したい!そう思うような製品です。
そこで見積に細工をするのですが、なぜか全部が決まらない。
今回の見積シリーズは高付加価値製品を狙い撃ちするリスクについて書いていきたいと思います。
見積シリーズについてはこちらからお読みください。

見積リストに一際輝く「金の卵」
商社で営業をしていると汎用的な安価製品から、モジュールで高付加価値の製品様々な見積もり依頼が来ます。
営業視点からすれば
- 他はいいからこれだけでも
- これだけを返事する
どうしても高付加価値の製品に目がいきがちです。これを受注するかしないかでは案件の金額に大きく影響するからです。
次からは一度顧客目線での見積について解説していきます。
顧客目線① 情報確認の違和感。
顧客としては「案件」として見積依頼をしています。
そこに含まれる全ての製品が大事であり優劣は有りません。
依頼先の営業マンから
「○○だけもうちにください」
「○○だけ先に回答します」
「○○のターゲット単価はありますか?」
このようにピンポイントで聞かれると必ずこう思われます。
「この人は案件としてではなく自分に利益のある製品のことだけを考えている」と。
そうなると本来出しても問題ない情報を出さなくなります。
結果として営業マンは情報が無い。という事になります。
顧客目線② 価格の違和感
冒頭でも少し書きましたが、営業マンとしても何でもかんでも薄利で販売するわけにはいかないので、価格に強弱をつけることはあります。
ですが、今回のケースでは「高付加価値製品」は極端に安く「汎用製品」でその利益の穴埋めをする構造ですとすぐに顧客にばれます。
営業マン視点は上記の通りトータルの利益率で考えるので一見問題ないように見えます。
ここで忘れてはいけないのは基本的には「相見積」をされているという事です。
自分が出した見積と他社が出した見積を比較した時に、著しく高い(安い)があれば違和感を持つのは当たり前ですよね?
汎用製品に利益を乗せること自体を否定しているわけではありません。
やりすぎるとそこに「いやらしさ」がでます。
顧客も価格の高い製品を安く買えるに越したことはないですが、考え方によっては
「うちには汎用製品は高く見積を出す人なんだ」という印象を持たれかねません。
顧客目線③ 単品狙いは一発アウト
数ある見積の中から高付加価値の製品だけを回答する。あるいは他の製品は回答が極端に遅い。
営業目線からすれば安い製品は眼中にない!で済むかもしれませんが、①でも書いたように顧客は「案件」として依頼をしています。
(○○さんは高付加価値の製品は見積もり早いけど他は何回督促しても返事が無い)
(他の見積は全く返す気無さそうだな)
このように思われると、次回以降の見積から「高付加価値の製品」だけ無くなるなんてことも普通にあり得ます。
営業マンがメリットに感じていることは顧客にとってはデメリット
ここまで「高付加価値の製品」に対する顧客の視点を書いてきました。
お分かりだと思いますが、営業マンのメリットは顧客にとってのデメリットです。
- 単品狙い(顧客は案件で依頼をしている)
- 価格の違和感(安さが際立たず高い方に目がいく)
- 情報確認の偏り(自分本位の考え)
すべてが対になってデメリット(違和感)を与えています。
ライバルがかなりいる
何より高付加価値製品はライバルがかなりいるという事を忘れてはなりません。
- 同じ製品を取り扱う商社
- 相当品を取り扱う商社
- 既に顧客に食い込んでいる商社
これら項目に該当するライバルに「価格」だけの勝負で挑んでいけば価格下げ合戦に巻き込まれ、利益はどんどんと削られます。
そして上司には「いくらなら決まるんだ?」と冷静な指摘を受けます。
まとめ|こちらもトータルで顧客に見積をする
まずは「高付加価値製品狙い」をやめましょう。それが受注角度を上げる第一歩です。
そこからのステップとして下記を意識してください。
- 見積の即レス
- 案件全体を考えた利益
- 複数回のやり取りができる関係を作っておく
この3つを実践する事でおのずと高付加価値の製品の受注角度は上がってくると思います。
営業は「点取りゲーム」ではなく「信頼の積み上げゲーム」です。
1つの製品で勝とうとすると、案件全体で負けます。

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