この案件受注したかったけど他社になったから仕方ない。
恐らく価格が高かったんだな。
見積は「勝負」です。勝負である以上そこにあるのは「勝ち」か「負け」
基本的には負けが大半です。この負けをどう活かすかによって顧客との関係構築や今後の見積の出し方に大きくかかわります。
負け戦こそ営業マンの本性が暴かれます。
引き下がることは「美しさ」ではない
見積もりを提出し、他社で決定。本当によくあります。
ここですごすごと引き下がる事は顧客に余計な時間を割かさせない「美しさ」のように感じますが、決してそんなことはありません。
それはあなたの「負け」に直面する覚悟が無い為にする言い訳です。
- 価格
- 納期
- 性能
- 回答スピード
これだけの要素があるのに何も聞かずに引き下がるのはもったいなくないですか?
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
昔の諺は本当に素晴らしいですよね。
私もほとんどの見積は決まりません。
それも自分が個の見積だけは何とか受注したい!と思うものほど。
昔は聞くことが恥ずかしかったりそれこそ時間を取らせて申し訳ないと思っていました。
ですがそれは大きな間違いです。
聞く事でしか本当の意味での「負け」を知ることは出来ません。
相手に対して申し訳ないと感じてもらう
単純に「なんでダメだったんですか?」と聞くのはそれこそ相手の時間を無駄に奪っているだけですので良くないです。
「自分の成長の為に」プラスして顧客が答えやすい聞き方が大切です。
聞き出し方① 単語で答えられる質問
先ほどの「ダメだったのか」からもう一歩踏み込みます。
「価格の差でしたか? それとも仕様や納期のご提案でしょうか?」
この質問では
- 価格
- 納期
- 仕様
という3つに選択肢を絞ることで相手に答えやすい状況を作り出します。
初回の回答以降はその項目に対する深堀質問をしていけばいいので、次回迄の改善が明確になります。
- 価格ならもう少し利益を考える必要がある
- 納期ならメーカーと事前に交渉して短納期対応を確認する
- 仕様ならあらかじめ妥協できる性能を確認する
やることが決まってきます。
聞き出し方② 明確な答えを嫌がる人がいることを想定
スパっと理由を教えてくれる人もいれば、情報を大切にする人や公平性を重視する人はなかなか教えてくれないこともあります。
そんな時は無理強いするのではなく相手の表情や間合いを確認するようにします。
価格の部分で少し間が空けばおそらく価格だな。と推測する事が出来ます。
ここに関しては顧客との関係性も重要な部分ですので、まずは関係構築をする。というのも一つの方法です。
聞き出し方③ 最初に言い訳をしない
「会社がこの価格で出せって言ったんですよね」
「メーカーが言うこと聞かなくて」
このような言葉を先に言ってしまうと顧客から本当の理由を聞き出すことは出来ません。
(言い訳ばかりだな)
(結局人のせいにしているけど交渉しないのか?)
という風に思われるだけです。本当に社内事情でそうせざるを得なくてもいう必要はありませんのご注意を。
番外編 教えてくれない人もいる
このタイプにしつこく食い下がっても「面倒な営業」という印象をつけるだけでプラスになることはありません。
教えてくれない=今はまだ「情報を開示するほどの信頼関係がない」という現在地の確認をするだけで十分です。
しつこく食い下がらずに「承知いたしました。また別の機会にお役に立てるよう準備しておきます」と綺麗に引く事も大事です。
ここでの撤退は「戦略的撤退」ですので次回のバッターボックスに立つチャンスがあります。
無理強いはゲームセットになりかねないのでご注意を。
負け戦はメーカーとの関係構築にもつながる
メーカーに対して受注が取れなかった報告程気まずいものは有りません。
時間を使って価格をもらったり、色々と技術サポートをしてもらったのに・・・と。
ですが、メーカー側もすべて受注できるとは思っていません。
むしろ受注できなかった理由をフィードバックする事が関係構築にもメーカーでの製品に対する市場反応として重宝されます。
価格でダメなら市場価格とかけ離れている指標になります。
納期でダメなら生産体制の見直しの指標になります。
性能でダメなら次回の開発の指標になります。
メーカーにとっても負け戦は大事な情報源です。
特に現場で戦う商社営業マンは直接顧客と会話する分情報の鮮度が新鮮です。
次にまた大きな案件が来た時に協力してもらうためにもしっかり情報共有はしましょう。
負けを認める潔さが、次の「勝ち」を連れてくる
野球の世界でも3割打てば一流と言われる世界です。
7回失敗しても大丈夫なんですから、見積の世界も同じように考えた方が気が楽です。
10打数10安打が理想ですが、そうなるためには
負け戦から自分の至らない部分を学び次に活かす。
これしかありません。
素直な気持ちで顧客に聞く。次の見積はそこから始まっているのかもしれません。
今回の負けで得た情報は、次の受注のための『頭金』として積み立てられたことになります。
負け戦を糧にできるようになったら、次は「攻めの営業」へ。

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