見積作成は「入力作業」だと思っていませんか?
その認識のままだと、いずれ必ず事故を起こします。
前回の記事では見積作成までの準備段階について書きました。
まだ読んでない方はこちら⬇️

そして今回はいよいよ本丸の見積作成の注意点です。
私が経験してきた中でここは気をつけるべきというポイントを解説していきたいと思います。
電子部品の見積は意外と注意点があるので是非若手社員の方を中心に読んでいただければと思います。
POINT① 型式の確認
型式!?そんなの当たり前じゃないか・・・と思ったあなたは早計です。
そんなの間違えるわけないじゃないか。というところですが、実際間違えてしまいます。
- コピペミス
- 打ち間違いミス
① コピペミス
この間違いはそもそもの間違いに気づかないという事もあります。
顧客から来たExcel資料などの型式をそのままコピペ。
そのまま見積作成→受注。
受注エラーで受注できない。
最悪のパターンですよね。
せっかく受注できているのにメーカーへ発注できない。
ここで顧客を責めたくなる気持ちが生まれますが、それは違います。
あなたが確認しなかった事が悪いです。
その事実を受け入れなければいつまでもそのままコピペして間違いに気づかず同じミスをします。
② 打ち間違いミス
これは先程とは違い直接方式を入力する場合ですね。
私の実例を一つ紹介します。
ある顧客から抵抗器という製品の見積依頼をもらいました。
詳細は割愛させていただきますが、抵抗器は3桁(4桁)で抵抗値を表示します。
お客さんの欲しい抵抗値ではなく間違った抵抗値で見積を作成。
その後提出ししばらくして受注。
メーカーへ発注。
納期が来て納品。
その後顧客から、
こっちが頼んだ抵抗値じゃないものが納品されているから確認してほしい。と依頼がありました。
そこで初めて自分が抵抗値の入力ミスをしている事に気づきました。
顧客には平謝りですが、謝罪はいいから必要な部品を納品してくれ。と冷静に言われました。
この経験は私にとって非常に大事な経験になりました。
型式記載ミスは場合によっては顧客に納品されるまで気づかない事がある。そう刻み込まれました。
POINT② 数量(MOQ)
次に注意するポイントは数量(MOQ:最低発注単位)です。
メーカーごとに最低この数量を発注してくれという数量があります。
業界的にいえば下記のようなものが発注単位としてよくあります。
- リール
- スティック
- 小箱
ここの数量も先程の型式と同じですが、間違った入力内容で受注をしてしまうと、メーカーへ発注する段階で発注拒否されてしまいます。
そこから顧客に数量変更の交渉をするのはかなりしんどいです。
ですので必ずメーカーが規定しているMOQを記載する事が大事です。
POINT③ 仕入単価
最も押さえておかないといけないPOINTです。
次は仕入単価ですね。
私たち営業マンは仕入原価に利益の載せて販売します。
物流費や各経費を差し引いたものが「純利益」となるわけで、利益は取れるに越したことはないわけですね。
仕入単価で注意すべき事は2つあります。
- 単価入力ミス
- 仕入単価が顧客にバレる
① 単価入力ミス
例えば本当は50円の仕入単価なのに、
40円で見積を作成したとします。
利益は20%載せたとします。
50X1.2=60
40X1.2=48
顧客からは48円で受注。
あなたはメーカーに40円で発注をしますが、
「この製品は50円ですよ?」
この段階で
販売単価:48
仕入単価:50
差額:−2
もう詰んでますよね。
顧客には間違えた事を説明するしかないですが、受け入れてくれるかは分かりません。
最悪赤字販売も覚悟しなければいけません。
実は私も似たような事をやってしまった事がありまして、それは別でしっかり1本の記事にしたいと思っています。
② 仕入単価が顧客にバレる
これはかなりヤバイ部類のミスだと思います。
あなたが顧客にどれだけ利益を載せているかが一発でバレてしまいます。
そこで顧客は自分たちがどのように見られているのかを判断します。
(めっちゃ利益載せているな・・・他の製品も含めて高く買わされているかも?)
こういう風に思われるリスクがあるので絶対に仕入単価は見せないようにしましょう。
社内のシステムで作成する場合などは基本的に仕入単価は見えないと思うのですが、
イレギュラーな対応の時が要注意です。
- Excelで回答
- 別紙として添付する資料の消し忘れ
こういうパターンでは万が一があるので必ず仕入単価は削除して提出。これが鉄則です。
これ一発で、あなたは「信用できない営業」に変わります。
POINT③ 販売単価
前回の下ごしらえの記事でも書きましたが、ここで活きてくるのが案件概要です。
案件規模によって当然載せる利益の幅が変わります。
案件が大きければそれだけライバルの商社がいる事を想定し薄利で作成する必要があります。
小さい案件ならばある程度利益を載せようか。など顧客が同じでも利益は案件ごとに変えるという癖をつける事が必要です。
POINT④ 納期
メーカー公称L/T(リードタイム:納期)があります。
基本的にはこの公称L/Tで問題ないのですが、少しスパイスを効かせる必要がある場合があります。
それは、毎回短納期で手配を入れてくる顧客です。
こういった顧客は自分が必要な時が納期であって公称L/TTなんて気にしていません。
ですのでこちらも正攻法で攻めても改善が見られないので敢えて長めのL/Tを書き、一言電話や直接の面談でこう伝えます。
logipapaあんまり短納期が続くと受注拒否されますよ
実際短納期手配はメーカー側にも大きな負荷がかかります。
ここぞという時に短納期手配をするからメーカーも頑張ってくれますが、
それが常態化する顧客の手配に力一杯納期調整をしてくれるかは推して知るべし。となります。
ですので少しでも短納期が減ればという気持ちを込めて短納期が当たり前の顧客には釘を刺します。
まぁそれをどうにかするのが商社だろう!!と言われる顧客が多いです。
顧客とのパワーバランスの調整が必要ですので使い所が大事です。
+α 製品ステータス
電子部品は製品サイクルが速い業界です。
あっという間に
- 新規設計非推奨
- 中止予定
と製品ステータスが変わっていきます。
見積の段階でそれを明示することで顧客に設計変更の検討する機会を生む事ができますし、先に伝えた上で見積をすれば、いざ中止になった時のエビデンスにもなりますので調べていて損はないです。
さらに代品や総統品を紹介できると営業マンとしての信頼がより深まります。
地雷はあちこちに潜んでいる
初回の準備から実際の作成までを解説してきました。
作成工程にも4つの大事なポイントがあり、どれか一つでも疎かにすると特大なブーメランが返ってきます。
1枚の見積を漫然と作成するのか?
ここで紹介したPOINTに注意して作成するのか?
心掛けを変えるだけでただの見積書が、
顧客との信頼を生むツールへと変貌します。
見積はただの紙ではありません。
あなたの信頼を積み上げるか、崩すかを決める一枚です。

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