値上げの構造とは?電子部品営業が語る“本当の理由”と現場の裏側

結論
・値上げは避けられないが、伝え方とタイミング次第で結果は大きく変わる

「また値上げです」

この一言を顧客に伝える瞬間、営業は一番気が重い。

なぜなら値上げは“説明”ではなく“交渉”だからです。

目次

値上げとは何か?(建前と本音)

値上げには現実問題として「本音」と「建前」があります。

まずはその本音の部分について紹介していきます。

現場で感じる“本当の理由”

  1. 利益確保(実はこれが主)
  2. 価格是正(安すぎた過去の修正)
  3. 優先顧客の選別

本音① 利益確保(実はこれが主)

きれいごとを抜きにすると、これが一番大きい理由です。

メーカーも企業である以上、利益を出さなければ継続できません。

「原材料が上がったから値上げする」のではなく、
「利益を確保するために値上げする」

これが現場で感じる本音です。

本音② 価格是正

過去に安く売りすぎた製品は、どこかで帳尻を合わせる必要があります。
値上げはその“歪みの修正”という側面もあります。

本音③ 優先顧客の選別

すべての顧客に同じ条件を出すわけではありません。
利益や取引量によって“守る顧客”が選ばれるのも現実です。

メーカーが言う「公式理由」

  1. 原材料費
  2. 為替
  3. 需給バランス

公式理由① 原材料費

金属材料に始まりあらゆる材料の値上があります。

実際の含有量が1%未満なのに値上げ幅はそれを上回る。という疑問が残る値上げがあるのも事実です。

公式理由② 為替

特に今の円安傾向は国内でビジネスを行っているとモロに影響を受けます。

ただし実際には、為替を理由にしつつそれ以上に上げているケースもあります。

公式理由③ 需給バランス

10年前は1000万個生産していたが、
今では100万個。

同じ価格での製造が出来なくなり値上げに踏み切るというパターンです。

これらはすべて事実ですが、“それだけが理由ではない”というのが現場の実感です。

値上というネガティブな連絡に対して、この値上げの本音は?建前は?という視点を持つことで、
その後の動き方が変わってきます。

値上げの4つの主要要因

本音と建前を踏まえてメーカーが値上げに踏切る要因を4つにまとめました。

  1. 原材料費の高騰
  2. 為替の影響
  3. 生産数量の減少
  4. 販管費の上昇

リアル① 原材料費の高騰

原材料費は製品のコストに大きく影響します。

昨今の素材の値上がりは業界にとっても営業にとっても大打撃です。

その結果、営業は“説明しきれない値上げ”を顧客に伝えることになります。

リアル② 為替の影響

ほとんどの製造業は海外に工場を持ち製造します。

特に今の円安傾向は国内でビジネスを行っているとモロに影響を受けます。

リアル③ 生産数量の減少

製品は未来永劫売れ続けるわけではなく、生産数量が落ちる製品もあります。

より多くの製造が出来れば材料を大量に購入しコストを抑えることも出来ます。

生産数量が落ちれば材料購入量が少なくなります。

結果的に製造コストが上がり、値段が上がるという流れです。

リアル④ 販管費の上昇

人件費や広告費や輸送費など製品の原価以外の部分ですね。

ここが上昇すると製品で上がった分を確保するという流れになります。

値上げは一度上がると戻らない理由

先ほどは値段が上がる理由について説明しました。

では逆の値下げはあるのか?

基本的に値下げはありません。

少なくとも私の10年の経験では、
「全体的な値下げ」は一度もありませんでした。

  1. 一度上げた価格は基準になる
  2. 値下げは“例外処理”扱い
  3. 営業評価は値上げ成功=プラス

値下げしない理由① 一度上げた価格は基準になる

一度上げてしまうとメーカーの中でもその価格が基準となります。

価格に連動する項目に下がる要因が発生しても、

メーカーとしてはよほどの理由が無い限り基準価格を下げるという事はしません。

理由は現在の値上をした価格で購入されるのにわざわざ利益を手放すようなことはしないからです。

値下げしない理由② 値下げは“例外処理”扱い

先ほどの理由の部分と重なる部分もありますが、わざわざ利益を手放すことはしません。

あるとすれば大口顧客からの要求などの例外的な対応をするだけで、全体的には値下げはしていないというスタンスを取ります。

値下げしない理由③ 営業評価は値上げ成功=プラス

メーカー側の営業も、「○%は値上げをしなさい」というミッションがあります。

自分の評価を上げるためにも値上げは頑張りますが、評価に影響しない値下げを積極的に行う理由がありません。

ここまでいろいろと書いてきましたが、すべてを一言でまとめるとこうなります。

一度上げた価格を戻しても良いことは無い

この一言に尽きます。

現場で実際に起きていること|なぜ営業は値上げを早く言わないのか?

ここでは実際に現場で起きていることを紹介します。

  • 分かっているのに言わない
  • 分かっていても言えない状態
  • 回答が遅れて顧客から激怒される

詳細については後日の記事で紹介したいと思いますが少しだけ。

例えばメーカーから「値上げの方向」とだけ連絡が来ることがあります。

ただしこの時点では
・価格未定
・時期未定

この状態で顧客に伝えると、
「じゃあ今のうちに発注する」
という動きが出てしまい、逆に混乱を招きます。

だから営業は“分かっていても言えない”状態になります。

営業は不誠実なのではなく、
どのタイミングで言うのが一番事故らないかを見ています。

商社は上げたくて値上げをしているわけではない

商社としてはメーカーから値上げが来たら値上げをしないわけにはいきません。

現状維持は

  • 利益減少
  • 赤字販売

という重大なリスクをはらんでいます。

ですが、そう簡単に値上げが出来ないのも事実としてあります。

値上げは避けられない。

そして営業は、その最前線に立たされます。

「誰のための値上げなのか」

その答えを探しながら、今日も顧客に向き合っています。

値上げのリアル交渉はこちらからどうぞ

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