値上げ交渉のリアル|電子部品営業が経験した“地獄の会話”と突破のポイント

「この値上げ、正直きついよ」

顧客からそう言われた瞬間、空気が一気に重くなる。

値上げ交渉は、ただの説明ではありません。

利害と感情がぶつかる“現場”です。

今回は、実際の現場でよくあるやり取りをベースに、値上げ交渉のリアルをお伝えします。

値上げの構造を知りたい方はこちら

目次

値上げ交渉のリアル(会話で見る現場)

値上げはメールや電話だけで済むような軽い話ではありません。

顧客への販売金額が多ければ多いほどより丁寧な対応が求められます。

よりリアルを感じてもらえるよう会話型式で進めていきたいと思います。

ケーズ① いきなり拒否されるパターン

顧客

この値上げは普通に無理でしょ!?

logipapa

メーカーからの値上げでして…

顧客

いやいや、それはそっちの都合でしょ?

logipapa

ここでのNGポイントは「正論」で押し切ってしまっていることです。

メーカーからの値上げは事実ですがそれを盾にして顧客へ伝える事が反発を生みます。

ここから改善ポイントです。

logipapa

おっしゃる通りです。正直かなり厳しい内容です。
その上で、どの部分が一番厳しいか教えていただけないでしょうか?

相手の怒りの感情に呑まれて黙ってしまってはそこからの会話は進まず、値上げの話は進みません。

相手の感情を受け止める。そしてそこから一歩踏み込んでいく。

そうすることで会話が前に進みます。

ケース② 競合他社との比較

顧客

他社は据え置きって言ってるけど?

logipapa

…一度確認させてください

logipapa

厳しいな…

これはほぼ確実にブラフ(もしくは条件違い)です。

焦って価格を下げるような話をこちらからするのはもってのほかです。

冷静になる事が大事です。

改善ポイント

logipapa

情報ありがとうございます。
差し支えなければいつ頃にご連絡いただいた内容か教えていただけないでしょうか?

logipapa

メーカーへ確認します。
同条件であれば社内でも再検討をいたします。

1つ目については顧客が値上げ前の見積書を持ち出して、こちらに据え置きと言っている可能性を確認するためのフレーズです。
もし、ここで言い淀むようであればブラフですので、値上げはきている事がわかります。

2つ目に関しては、条件差があれば社内でも確認が必要になるため、その意思を伝える意図もあります。
顧客も自分たちの名前を出されて確認をされて嘘だと都合が悪くなりますので、反応を伺うという意味では効果があります。

共通する部分は否定はせず、逃げ道を作っているところです。

ケース③ 感情的に詰められるパターン

顧客

なんでこんなに急なの!?

顧客

もっと早くわかっていたんじゃないですか?

logipapa

申し訳ありません…

大切なのは顧客の感情整理です。

logipapa

おっしゃる通りです。
ご迷惑をおかけしているのは事実です。

logipapa

今回の背景も含めて説明をさせていただきます。

相手の感情から逃げる事なくすかす事なく受け止める。

そしてガス抜きに集中する。

なぜ値上げ交渉はうまくいかないのか

ここまで値上げ交渉のリアルをお伝えしてきました。

ではなぜここまで値上げ交渉がうまくいかないのか?ここからはその本質的な部分について解説していきます。

理由① 説明で終わっている

値上げをするからには当然それ相応の理由があります。

営業として理由を説明するのは当たり前のことです。ですがそれは値上げ交渉に入るまでの準備段階です。

ようやくスタートラインにたったに過ぎません。

ここから説明に加えての交渉が必要になりますが、商社営業ではどうしてもそこからの交渉の部分が弱くなりがちです。

その理由は自分たちも値上げをされた側という考え方があるからです。

ですがその考え方では顧客に納得してもらう事は難しいです。

理由② 相手の立場を見ていない

我々営業が値上げを持っていく顧客の部署は

  • 購買
  • 資材
  • 生産管理

主に3つのいずれかの部署です。

この3つの部署に共通するのは

  • 原価を抑える(部品は一円でも安く買う)

という使命を持っているプロです。

そんな人たちに安易に値上げを持っていっても逆鱗に触れるだけです。

顧客にも社内での立場があります。
さらには顧客にも顧客がいます。

そういった強烈なプレッシャーを背負っているという事を理解して交渉に臨む必要があります。

理由③ 被害者意識が出ている

1で少し解説しましたが、自分たちも値上げを受けているという気持ちが全面に出過ぎているパターンです。

もちろん値上げを受けている事は事実なのですが、それを顧客に見せ過ぎることはプラスにはなりません。

顧客からすれば、

その値上げをどうにかするのが商社だろ。と思っています。

値上げ交渉で結果を変える3つのポイント

  1. 先に“共感”を出す(いきなり説明をしない)
  2. 逃げ道を用意する(一部だけ・段階的など)
  3. 完璧を狙わない(理想と現実の違いを受け止める)

値上げ交渉は瞬発力と設計力

値上げ交渉に正解はありません。

あるのは、その場その場での最適解だけです。

そして営業は、

  • メーカー
  • 顧客
  • 社内

すべての間でバランスを取り続けます。

それが値上げ交渉のリアルです。

値上げを“通す”のではなく、“落としどころを作る”
それが営業の仕事です。

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