【納期トラブルシリーズ】なぜ顧客は“鬼”になるのか?購買担当が抱える恐怖と3つの行動原理

顧客が豹変する理由。それは「社内の恐怖」から。

これまで納期トラブルシリーズを2本書いてきましたが、営業視点だけでなく顧客目線での納期トラブルについても書いてみようと思います。

両方の視点を知ることは営業としての幅が出ると思いますのでぜひお読みいただければと思います。

今までの納期トラブルシリーズはこちら

目次

顧客も実際は余白がない

過去の記事でも少し紹介していますが、実際に部品を発注する業務担当者に短納期案件が共有されるまでは実際の案件発生からはかなりタイムラグがあります。

実際の業務担当者は概ね2つのいずれかの部署に所属しています。

  • 購買
  • 資材

この2部署に届くまでに数日は必ず経っています。ですので発注業務担当も実際はかなり時間のない中からのスタートしているということを認識してください。

発注担当者は、製造ラインを止めたら「お前の手配ミスだろ」と工場長や役員から罵声を浴びる恐怖と戦っています。

彼らが営業に強く当たるのは、「自分はこれだけ商社を急かしています」という社内向けのアピール(パフォーマンス)であることも多いのです。

あなた以外にも火の粉を飛んでいる

短納期依頼を受けたあなたはこう思いませんか?

  1. 自分が調整できなかったらどうしよう
  2. 賠償請求とかされるかも
  3. 怒られたくないな

私も若手社員時代はこんなことばっかり考えていて、パニックになっていました。

もちろん調整できないと怒られるし、出来ない事を考えると憂鬱です。

ですが、ここで朗報です。

短納期調整依頼はあなた以外にも行われています。

電子部品は一つの部品だけが入荷してもそれだけで製品になる事はありません。

様々な部品の集合体が製品となります。

もし、あなたがある企業の製品における全ての部品を納入していたらこの限りではありませんが、

ほぼ100%製品の一部の部品を納入しているはずです。

ですのであなただけが短納期依頼を受けているのではなく、関連する見えない他の商社にも火の粉は飛んでいます。

発注業務担当が言う呪いのフレーズ

先ほどの部分でも書きましたが、発注業務担当者は100%部品が揃わない限り安心できません。

99%だからOK。という事はあり得ないのです。

ですので我々商社にはこのフレーズが必ず飛んできます。

メーカー

御社以外の部品は全部揃ってるんですよね。

どうでしょうか?
言われた事ないですか?

このフレーズは発注業務担当が我々商社営業を追い詰める呪いのフレーズです。

部品を集める手段を選ばない

先ほどのフレーズ以外にもあらゆる手段で部品を集めます。

  1. 他の商社にも在庫確認
  2. 相当品探し
  3. ネット商社での在庫購入

手段① 他の商社にも在庫確認

あなたの取り扱っている製品は他の商社でも取り扱いがあれば、在庫確認をします。

どこかで部品が見つかればそれでいい。その可能性があればあらゆる商社に確認をします。

あなたに対する圧力が減った場合はもしかしたら他の商社で部品が見つかったのかもしれません。

手段② 相当品探し

類似特製品で急場を凌ぐという手段もセオリーですね。

特に汎用部品であればこの対応で解決することもあります。

カスタム部品や、特殊な部品であればこの方法は使えないので、かなりの圧力での調整依頼がきます。

手段③ ネット商社での在庫購入

ネット商社はリアルタイムで在庫表示がされているので、どの商社にもない場合の購入先となります。

すぐに購入できることはメリットですが、デメリットもあります。

  • 商社購入より価格が高い
  • 偽物がないとは言い切れない
  • 製造年が古い可能性がある
  • 不具合発生時のメーカー解析対応が無い

メリットとデメリットのバランスを天秤にかけて購入するのかしないのか。

最終E/Uからのプレッシャーや購入価格などを考慮します。

顧客がネット商社で勝手に買ってしまうと、商社としての売上が消えるだけでなく、
「あの商社は困った時に動いてくれない」という負のレッテルを貼られます。

だからこそ、揃わない時でも「一緒にネット在庫を探してURLを送る」くらいの並走姿勢が、後の大きな受注に繋がります。

それでも揃わない場合

あらゆる手段を講じても部品が揃わないことも当然あります。

その場合顧客内での調整が始まります。

  • 営業を通じて納期の延伸交渉
  • 他の製品で紐づいている部品を使用できるか確認

① 営業を通じて納期の延伸交渉

これは我々が行う交渉と同じだと思ってください。

どれだけ延伸できるかは、部品の揃っている状況次第です。

交渉がしやすいパターン
・すでに全部品の納期回答は出ており、回答自体が交渉できるくらいの遅れの時
・納期回答自体は出ていないが市場購入など揃えられる手段が残っている

交渉しにくいパターン
・全く目処が経っていない部品があり見込みで延伸交渉をする

成功すれば猶予が生まれますが、失敗の場合は苛烈な調整が始まります。

② 他の製品で紐づいている部品を使用できるか確認

これは顧客内の他の製品向けに入荷している部品を緊急で先に使うパターンです。

他の製品の納品までに入荷するのか?
入荷しなくても交渉で延伸できるのか?

商社からの回答や延伸如何により使える使えないの判断が出ます。

そして発注担当者も自分を守るために「誰のせいにするか」を考えます。

私たちの動き方次第でこの戦犯になるかが決まります。

戦犯回避の具体的動き

ネット商社の在庫情報をこちらから先に提示する。
相当品のデータシートを即座に送るなど、顧客の「社内報告」を楽にしてあげる動きをする。

戦犯確定の具体的動き

納期回答の目処も出さない
代替案を提示しない

あなたはどちらを選びますか?

まとめ|顧客も社内と戦っている

顧客視点での短納期について如何でしたか?

自分で書いていて思いましたが、顧客も私たちと同じく戦っている。

顧客も必ずしも調整ができるとは思っていない。だからこそ戦う為の大義名分を求めている。

あなたがその大義名分を渡す事で顧客からの信頼は一気に増し売上につながる扉を開く事ができるかもしれません。

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