なかなか見積もりが決まらない時に考える事があります。
代表的なのは価格です。
ですが、価格の前に大事なものがあります。
あなたの見積は依頼日から何日経過していますか?
あなたの見積が決まらないのは、価格ではなく回答までの時間かもしれません。
営業経験での実体験をもとに今回の記事を書いていきたいと思います。
見積とは鮮度です。
鮮度が落ちた見積は、どれだけ安くても選ばれません。
そんな鮮度についての記事はこちら。

見積が決まらない、見積回答が遅いと言われる営業の多くは「価格」ではなく「スピード」で機会損失しています。
見積が決まらない原因は「価格」ではなく「スピード」
私が懇意にしている顧客がいます。
5年以上は担当をさせてもらっていていて非常に良くしていただいている顧客です。
ある日の訪問でこんなやりとりがありました。
顧客logipapaさんからの見積って他の商社と比べると遅いんですよね。
この顧客には見積依頼から遅くても2〜3日で回答をするようにしていたので驚きました。



遅いですか!?正直早い方だと思っていました。



早い商社だと依頼した日に回答くれるよ。
うちがせっかちってこともあるけどね。



当日ですか?それは早いな・・・
私も外出してると、見積依頼の対応自体が遅くなってしまって・・・



それは理解しているよ。
でも他の商社はアシスタントから返事が来るかな。



こっちも急いでるから、多少価格が高くても早い方で決めちゃうんだよね。logipapaさんからの回答の時には注文し終わってるってこともあるよ。



全部の商社がそうってわけじゃ無いけどね。
でも早いに越した事はないって考えだね。
この事実はかなり衝撃的でした。自分の中では最短で回答していたつもりが、その顧客にとっては遅い方だったことが。
見積回答は何日以内が理想?即日対応が基準になる理由
見積回答の理想は「即日」です。
遅くても一次回答を当日中に入れることで、検討の土俵に残ることができます。
見積を即日回答する3つの方法
すぐに自分の行動を改善しなければと思いました。
私の所属する会社では見積は営業がやるという決まりはないのですが、慣習的に営業がやるということになっていました。まずはそこを変えました。
従来
メーカー依頼(私)
↓
回答受領(私)
↓
見積作成(私)
↓
見積送付(私)
改善
メーカー依頼(アシスタント)
↓
回答受領(アシスタント)
↓
見積作成(私)
↓
見積送付(私)
変わったこと
- 依頼スピードを上げる(アシスタント活用)
- メーカーへの伝え方を変える
- 当日中に必ず顧客へ返す
改善① 依頼スピードを上げる(アシスタント活用)
全てを自分でやっていたので外回りで終日外出ですと、
夕方以降にメーカーへ依頼。回答は早くても翌日。
相手の都合もあるのでさらに数日経過することもしばしばでした。
何よりダメだったのが、それが普通と思っていたことです。
見積は「依頼を受けた瞬間に動くか」で8割決まります。
後回しにした時点で、その案件は“負け”に近づいています。
改善② メーカーへの伝え方を変える
今までは顧客から急いでいるというシグナルがあれば、メーカーへも急ぎを伝えていました。
ですが改善してからは常に当日希望という事を伝えるようにしました。
当然メーカーにも事情があるので何が何でも当日!という事ではありませんが、その気持ちを伝えるだけでメーカーにも見積に対する熱意が伝わった気がします。
①とも重複しますが、
顧客から依頼が来た瞬間にアシスタントに依頼をすることでタイムラグがなくなります。
顧客からの依頼時間によりますが、AM中であればその日の夕方までに回答が来る割合がかなり増えました。
メーカーへの依頼は「急ぎ」ではなく
“いつまでに必要か(期限)”を必ずセットで伝えることが重要です。
改善③ 当日中に必ず顧客へ返す
これは私の気構えの部分を変えました。
正直夕方になればメールを見るのは翌日だろう。
それなら今日送っても明日の朝イチ送っても変わらない。なら翌日に送ろう。そう考えていました。
ですが、それではダメ!と突きつけられたのでどんなに遅くてもメーカーから回答が来ていれば当日に返すように変更しました。
当日中に回答が難しい場合でも、
「一次回答(受領+進捗+回答予定)」を必ず入れることで失注は防げます。
見積を早く返すことは雑にする事ではありません。
スピードと正確性を両立させるためのチェックリストはこちら。


即日回答がもたらした「価格交渉なし」の受注増
先ほどの改善を続けたことで、顧客からの言動にも変化がありました。



最近見積早くなったね。
意識してる?



はい。あの時正直早いと思っていたので焦りましたが、
今は心入れ替えてなるべく当日返信を心がけています!



なるほどね。
おかげでこっちも色々と見積もりを依頼しやすくなったよ
より顧客との関係が深まったと思える瞬間でした。
他にもいい効果がありました。
- 顧客が受注前提の話をしてくれるようになった
- 依頼件数が増えた
- 遅れることに対してユーモアが増えた
① 顧客が受注前提の話をしてくれるようになった
納期が前提の話になりますが、◯月◯日までに納品してくれるなら発注出すからどうですか?
という話が多くなりました。
当然我々やメーカーの在庫の有無に左右されますが、突っ込んだ会話ができるのはありがたいことです。
② 依頼件数が増えた
これは単純に見積依頼件数が増えました。
その中で決まる・決まらないは当然ありますが、顧客の依頼する優先順位の上位にいることは確かだと思っています。
③ 遅れることに対してユーモアが増えた
今までは遅れていると「まだですかね?」という督促が強めでした。
最近では「あのメーカーは毎回遅いね。早めでお願いしますね」とユーモアが混じってきました。
正直かなりやりやすいです。
見積が決まらない理由5選(営業が見落としがちなポイント)
これまでの内容を踏まえ、見積が決まらない理由を5つ紹介します。
ここを見落とすと一気に見積もりの成約率が下がります。
- 回答が遅い(顧客の検討タイミングに間に合わない)
- 比較の土俵にすら乗れていない(他社が先に回答している)
- 顧客の検討タイミングを逃している(今欲しい!にミートできていない)
- 一次回答がない(不安を増加させる)
- フォローがない(安心がない)
見積は「比較されて負ける」のではなく、
“比較される前に負けている”ケースがほとんどです。
まとめ|見積スピードは「営業力」である
私の中では関係良好でうまくいっている顧客という認識でした。
それでも顧客からすれば見積スピードに不満がありました。
それを教えていただける関係があったからこそ、今回の改善策は有効になり、プラスの結果を産む事ができました。
ここで私が皆さんにお伝えしたいのは、成功を自慢する事ではなく、
関係性に甘えて仕事が疎かになって、受注のチャンスを逃していないか?という事です。
見積は「比較されて負ける」のではなく、
「比較される前に負けている」ケースがほとんどです。
次に見積依頼が来たら、
「まず5分以内にメーカーへ依頼する」ことから始めてみてください。
この一手で、結果は確実に変わります。
現に私がその典型例でしたのでこの記事を読んでいただき営業の気付きとなれば幸いです。
筆者について
電子部品業界で10年以上の営業経験。
電子部品商社で営業として勤務。
短納期対応・納期トラブルを多数経験。
現場で実際に使っている実務ベースのノウハウを発信しています。

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