電子部品の不具合解析|規格内なのに不良と言われた時の対応方

結論:不具合解析は正論だけでは成り立たない

電子部品を取り扱っていると必ず不具合が発生します。

我々商社は、中間ポジションにいるのでどちらかに肩入れをすることは出来ません。

ですが、トラブルを解決しなければなりません。

今回の記事では、

  • 不具合解析のリアルな対応方法
  • 顧客との立ちまわり方
  • メーカーとの立ち回り方
  • ぶっちゃけた部分

こういった部分をつまびらかに書いていきたいと思います。

この記事を読んでわかること

  • 不具合対応の立ち回り方
  • 消耗しない視点
  • 顧客の視点
目次

電子部品の不具合対応はまず原因の切り分けから始まる

不具合連絡が来ると、焦ります。

ですが、焦る気持ちを抑えて原因を分析することが第一歩です。

不具合は大きく3パターンに分類される

  • メーカー側に問題がある不具合なのか?
  • 顧客の使用方法による不具合なのか?
  • その他の不具合なのか?

まずはここを最初にしっかりと分析しましょう。

今回の記事では私が実体験したその他の不具合発生を基に書いていきます。

「規格内なら良品」が通じなかった実際のやり取り

今回顧客から連絡が来たのは、製品の特性不良でした。

1個だけが特性不良なので製品交換をしてほしいという要求からスタートしました。

内容をメーカーに共有します。

logipapa

特性不良の連絡が来ています。
添付資料確認お願いします。

メーカー

この写真からだけでは分かりません。
お客様に○○の特性を計測してもらえませんか?

メーカー

○○が仕様範囲に収まっていれば良品となります。

メーカーとのやり取りを踏まえて顧客に連絡しました。

logipapa

今回の資料だけでは判断がつかない為、
○○という特性を計測してもらえませんか?

logipapa

○○が仕様範囲内に収まっていれば
良品となります。

しばらく返事がありませんでした。

そしてようやく来た内容がこちらです。

顧客

納品いただいたうちの1個だけが明らかにおかしいのに、
良品というならばその根拠を示してください。

この時点で会話がかみ合っていないことがお判りでしょうか?

  • ○○という特性の計測を依頼
  • ○○の計測を無視して良品の根拠提示を求める

会話にギャップが生まれています。

メーカーとの情報共有

上記内容を踏まえまずメーカーと情報を共有することにしました。

logipapa

顧客からかくかくしかじかという内容が来てまして・・・

メーカー

前も言ったけどその情報が無いと判断できませんよ。

メーカー

○○の特性を計測してもらえるようにもう一度聞いてみてください。

メーカーの言うことはごもっともです。

顧客への説明

logipapa

先ほどのメールの件ですが、○○の特性を計測できない理由があるのですか?

顧客

実は計測はしてまして・・・
メーカー規定の範囲でして

logipapa

それなら良品じゃないですか!?
この話はここで終わりですよ。

顧客

うちでは実装上使えない判定なので不良品です!!

logipapa

なんじゃそりゃ・・・

ここで自分が感情的になってはらちが明かないので必死に気持ちを落ち着けました(笑)

logipapa

それでは正式に不具合解析という形で依頼をします。
判断はメーカーに委ねますが、それでよろしいでしょうか?

顧客

問題ありません。

メーカーへは無理を言いますが、案件を進めるためにはこの方法がベストだと考えました。

正論だけで不具合対応すると関係性が悪化する

ここまで経緯を書いてきました。

当初の交換依頼から不具合解析に内容が変更となりました。

営業として、この製品が良品である。と突っぱねることは可能ですが

長期的に見てその対応が本当に良いのかを考える必要があります。

良品と突き通す場合のメリット

  • 短期的には仕事の手間が減る
  • メーカーも手間が減る

一方でデメリットもあります。

  • 顧客から動いてくれないという印象を持たれる
  • 困った時に助けてくれないという印象を持たれる

メーカーへ解析依頼を説明

logipapa

かくかくしかじかということになって、
案件を進めるために解析をお願いできますか?

メーカー

いいですけど、良品だった場合はそれ以上の対応はしませんからね!!

logipapa

もちろんです。
その場合はこちらとしても線引きをします。

電子部品の不具合解析で会話が噛み合わない理由

ここで改めてですが、「良品」の定義を考えたいと思います。

部品メーカー視点

メーカー視点では”規格適合”を中心に良品を定義します。

  • 規格内
  • 機能正常
  • 信頼性問題なし

このようにメーカーは製品が”規格に適合”しているか?を中心に考えます。

その為今回のケースの場合、製品は良品となります。

顧客側の視点

顧客視点では”用途適合”を中心に良品を定義します。

  • 自社設備で使いにくい
  • 治具干渉する
  • 見栄えNG
  • 作業性悪化
  • 自社製品に組み付けて特性が出なければNG

このケースに合致するものは”用途不適合”となり不良品となります。

ここまでの内容でお気づきかもしれませんが、

揉める原因は、「良品」という言葉の定義が違うからなんですよね。

さらに顧客にも本音の部分があります。

  • 本当に不良だと断定したいというより、
  • 社内で説明可能な材料が欲しい
  • 責任を明確化したい
  • 将来問題化した時の保険が欲しい

という可能性が高いです。

だからこそ、

「良品です」で返すと対立を生みます。

消耗しない立ち回り方

ここまでを踏まえて不具合解析の消耗しない立ち回り方を紹介します。

  • 顧客とメーカーでは見ている視点が違うことを理解する
  • 無理に自分の意見を主張しない
  • 自分たちの目線での主張の為かみ合わないことを理解する
  • 社内で説明可能な材料が必要という視点を持つ

まとめ|不具合対応で消耗する人へ

不具合対応をしていると、

規格内なのになぜ揉めるのか?

と感じる場面があります。

ですが実際には、

  • メーカーは”規格適合”
  • 顧客は”用途適合”

を見ている為、最初から見ている景色が違います。

だからこそ、正論だけを突き通すと対立になります。

重要なのは、

どちらが正しいか

ではなく、

相手は何を守ろうとしているのか

を理解することです。

不具合対応は、喧嘩ではありません。

双方が納得できる落としどころを探す仕事です。

筆者について

電子部品業界で10年以上の営業経験。
電子部品商社で営業として勤務。
短納期対応・納期トラブルを多数経験。

現場で実際に使っている実務ベースのノウハウを発信しています。

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