会社の方針に従うだけでいいのか?中間管理職として私が考える「現場と会社」の間に立つ仕事

中小企業の中間管理職というものは得てして自分も担当を持ちつつ、

  • 部下の育成やサポート
  • 炎上案件のフォロー
  • 日々のコミュニケーション

幅広い業務を担当しています。

今回の記事ではそんな管理職としての立ち回り方に対して、私なりに一石を投じたいと思います。

目次

概要|部下の案件

ある部下の顧客は非常に短納期が多く、会社の中でもコントロールのしづらいお客様で有名です。

元々はベテランの営業マンが担当をしており、短納期があるものの生産計画情報をもらい先行手配をかけることでどうにか対応をしていました。

そこから担当交代をはさみ若手営業に交代。

顧客担当者も癖が強いようで、部下は訪問に対して苦手意識が芽生えているようです。

訪問しないので顧客からの【活きた】情報が手に入りづらい状況が構築されていきます。

そんな中でも短納期手配はどんどん入ってしまい、日々の納期調整に追われる日々。

先輩社員

○○君お客さんのところ行かないと!
生産計画もらって先行手配しないと、
どんどん短納期手配だけが増えるよ!!

後輩

はい・・・
そうですよね・・・

先輩社員

このままだとメーカーからも短納期について指摘されて
八方塞になるよ!!

後輩

はい・・・

後輩は返事はするものの、一向にアポを取るそぶりもありません。

元担当も、自分がわざわざ情報を取れば簡単に済む話だが、それでは後輩の為にならないので、後輩の直接の上司にフォローアップを要求しました。

元担当がA社に電話して生産計画を聞けば、案件自体はある程度解決できます。

しかし、それをやってしまえば、今回の問題は解決しても、担当者本人はいつまで経っても顧客との関係を構築できません。

必要なのは「今回の短納期を解決すること」ではなく、「担当者本人がA社をコントロールできるようになること」です。

先輩社員

○○さん
後輩君のA社ですけど先行手配で対応しないと短納期手配だらけですよ!!

上司

その件なんですけど、会社からは先行手配をやめて、
先の納期で注文書でもらえって言われてるんですよね・・・

先輩社員

それは今までのサポート体制と変わることになるから
お客さんから反発がありますよ!!

上司

ちょうど担当も変わったタイミングですから、
これを機にということで・・・

先輩社員

完全に社内都合じゃないか・・・

このやり取りで元担当のベテラン社員は、この案件に関わることをやめました。

理由は以下の通りです。

  • 自分がサポートすれば解決する
  • でも自分がやれば担当者が育たない
  • 会社方針として先行手配をやめるなら、自分が口を出す話ではない
  • それなら担当上司が判断すべき

ここまでが案件の概要です。

上司としての振舞

遅々として進まない案件フォローに対して上司が下そうとしている判断は、

先行手配を中止し、確定注文をもらう。ということです。

この判断については一定の理解はわたしもあります。

ですが、大きなリスクがあることも事実です。

今回の登場人物である上司は会社の”意向”を汲み取り、会社に寄り添った対応を行っています。

それも一つの案として取るべき選択肢です。

ですが、わたしの考えは違います。

会社の「意向」を汲み取り、顧客への説明や代替案を検討せず、そのまま運用を変更することは、顧客からの不信感につながると私は考えます。

理由は単純です。

今までやってもらっていた【先行手配】が担当交代した途端に【注文書】にしてくれは、虫が良すぎるからです。

顧客目線|これまでの対応から変わる事による不信感

顧客の立場からすれば今までは生産計画を提示し、商社が先行手配をしてくれて、

必要なタイミングで注文書を出せばすでに在庫がある。あるいはすぐに準備が出来るという状態でした。

顧客側のメリットは以下の通りです。

  • 先行手配の為明確な引取責任はない
  • 計画の変更である程度納期は自由にできる

会社目線|少しでもリスクを減らしたい

会社としてはこれまでリスクであった先行手配をやめたい思惑があります。

  • 在庫になった時に引取交渉が出来ない
  • 自由に納期変更されることによる在庫リスク

これらを一発で解決するには【注文書】をもらう。

これにつきます。

結果|顧客が取引先を変更する動機を与える

顧客からすれば、納期の自由度があったのでうちに手配を出していた可能性がある為、同じ対応が出来ないとなれば

他の商社と横並びです。

わざわざうちを選ぶ必要もないのでコストメリットがあればそちらに流れる可能性があります。

そうなれば徐々に手配は減っていき、気づけば売上が大幅に減っている。ということもあり得ます。

これが会社にとって最も避けたい結果です。

中間管理職はどちらかに偏ってはいけない

※ここからはわたしの持論になります。

ここで上司として取るべき行動は、会社の方針を実行することによるメリットとデメリットを伝えることだと考えます。

短期的メリット

  • 先行手配が無くなることで滞留在庫がなくなる
  • 納期変更による在庫リスク
  • 短納期手配が無くなる

中長期的リスク

  • 顧客の利便性低下
  • 競合商社への流出
  • 売上減少
  • 顧客との関係性低下

これら双方をテーブルに並べたうえでどうするかを会社に判断してもらう。

私なら、いきなり先行手配をやめることはしません。

まずは顧客に現在の運用を継続できない理由を説明し、一定期間だけ発注精度を上げてもらうなど、代替案を提示します。

そのうえで改善が難しいのであれば、先行手配をやめるという判断をします。

まとめ|中間管理職のあるべき姿とは

中間管理職の仕事は、会社と現場のどちらかにつくことではない。とわたしは考えます。

なぜならどちらにも正義があり、合理性があるからです。

だからこそ、

両者の言い分を整理し、会社が正しい判断をできる材料を作ること。

これが中間管理職の行うべきことだと考えます。

筆者について

電子部品業界で10年以上の営業経験。
電子部品商社で営業として勤務。
短納期対応・納期トラブルを多数経験。

現場で実際に使っている実務ベースのノウハウを発信しています。

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